漫画があればいいのだ！

タカハシマコさんの作品『脳内アリス』（講談社）

母親は男を作って出て行ってしまい、
認知症の祖母の介護とアルバイトに追われ
疲れ果てた宇佐美灯莉は
自殺を決意して出ていこうとした時に、
祖母の部屋から物音が・・・

母親のように見捨てて出て行くこともできず、
祖母の部屋に入ると、
祖母の背中から「アリス」と名乗る少女が出てきて、
「私を殺した人間のところに案内してほしい」
と言い出したんです・・・

灯莉は「アリス（祖母）」と一緒に
京都へと旅立つ・・・
といったファンタジー？ミステリー？作品になっています。

タカハシマコさんの作品って
タッチは可愛いのですが、
読みだすとひきこまれていく・・・
そんな奥が深い作品も多く、
この『脳内アリス』も
そのような作品になっていました。

個人的にはかなり良作だと思い、
ネタバレはしたくないので詳しくは書きませんが、
意外な展開になっていて面白かったので、
気になった方はチェックしてみてください。

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タカハシマコさんの作品『棺の中は黄色いバラ』（幻冬舎）

普段は明るい田舎の中学生の茨木スミカは
心のなかでくすぶるものをもっていました。

そんなある日、学校に細貝柊という男子生徒が
転校してきたことにより、
自分の中の危険な歯車がまわりはじめました。

田舎の中学校に転向してくるのには何かがある・・・
なんて柊のことを勘ぐったスミカの親友の野枝は
ネットなどで調べてみると、
柊が殺人を犯し、保護観察として
この田舎にやってきたことを知り、
その事をスミカにも話しました。

柊が住む家はスミカの家の隣りにある洋館で、
訪ねて行った時に、
スミカが「人の殺し方を教えてほしいの」と言い出しました。

保護観察の身の柊・・・
人を殺したいと思うスミカ・・・
その他にも思春期の少年少女がそれぞれ思う気持ち、
などが絡み絡まり合って描かれる
サスペンス作品になっています。

タカハシマコさんなのですが、
普段は可愛い系の少女漫画のような作品や
百合系の作品などが多いのですけど、
たまにこのようなサスペンス作品を描かれるんですよね。

可愛い絵・・・程度にしか思っていなかったのですが、
数年前に『それは私と少女は言った』という作品を読んで、
思春期独特の思いとサスペンス要素が
見事に表現されていて、
ここからタカハシさんの作品をチェックするようになりました。

『棺の中は黄色いバラ』『それは私と少女は言った』は
タカハシさんのやわらかいタッチからは想像できない
思春期の闇が描かれているので、
興味がある・・・という人は読んでみてください。

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タカハシマコさんの作品『それは私と少女は言った』（講談社）

このタイトルを見て、気づいた人はいるでしょうか？
マザー・グースの童話
『 Who Killed Cock Robin 』の一節に似てると・・・

僕もタイトルを見てすぐに
『 Who Killed Cock Robin 』が思い浮かびました。
「誰がコマドリ殺したの　それは私とスズメが言った・・・」
洋書なので、いろいろと訳されていますが、
こんな感じの一節だったかと・・・

早速『それは私と少女は言った』を読んでみると・・・
そこには予想通りに
『 Who Killed Cock Robin 』の世界が広がっており、
１話目で一気にこの話の世界感に引き込まれました。

ちょっと１話だけネタバレを・・・
天才子役である駒沢鳥子が友達の前で
降りている踏切の中に入り自殺をはかります。
それから数年後・・・
少女たちが高校１年になり、再び同じクラスになり、
この自殺を目撃した５人全員に
亡くなったはずの駒沢鳥子からのメールが届きます。

こんな感じで話が始まるのですが・・・

それぞれ５人は自殺をした駒沢鳥子にたいして、
憎しみ、妬み、憧れ、歪んだ愛情、
そして・・・　様々な想いを抱いており
少女たちの揺れ動く心をミステリアスチックに描かれた作品でした。

１巻に綺麗にまとまっており、
個人的にはすごくハマった作品です。

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