漫画があればいいのだ！

永田カビさんの作品『膵臓がこわれたら、少し生きやすくなりました。』（イースト・プレス）

かなり個性的な生き方をされている
作者の永田カビさん。

レズ風俗に訪れるまでの実体験を描いた
『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』で
はじめて永田カビさんの作品を読んだのですが、
その後も内向的な自分をありのまま描いた作品が多く、
同じような感情や考え方を持つ人に
多大なる影響を与えた作家さんです。

この作品なのですが、
お酒におぼれれ、アルコール性急性膵炎になり、
入院することになったことを描いた
『現実逃避してたらボロボロになった話』
の続編・・・と言った感じの作品になっています。

前作ではボロボロの身体になって
アルコールは懲りただろう・・・と思っていたのですが、
それ以降もお酒はやめられず（完全な依存症です）、
再び、同じ症状で入院することに・・・

病院を抜け出したり、病院を変わったり・・・と
今回も破天荒な入院生活が描かれていたのですが、
父親の言葉により
今回は本気でアルコール依存症と向き合うことに・・・

この作品ではアルコール依存症に至るまでの話も
最初の方に描かれているのですが、
『現実逃避してたらボロボロになった話』を読んでからの方が
永田カビさんの生き方などがわかると思います。
（それ以前のも読めばさらに破天荒さが伝わってきます）

僕もアルコール依存症の身内がいたから
様々なアルコール依存症の人の作品を読んできているのですけど、
なかなか断酒を続けることが難しいのですが、
永田カビさんには断酒を続けてもらい、
「断酒継続中」みたいな感じの次回作を読みたいです。

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秋重学さんの作品『依存白書』（日本文芸社）

「依存症」とは
ギャンブルや買い物、ネットなどの行為に依存したり、
アルコール、薬物、タバコなどの物質に依存したり、
誰か人に（夫、家族、友達）などの人間関係に依存したり、
といった感じで様々なことに依存症というのがあります。

この作品なのですが、
自分の存在をＳＮＳに見つけそこに依存する女性、
何でも自分が欲しい物を買い続けることに依存した女性、
ＳＥＸの快楽に溺れ依存している女性・・・と、
それぞれ違うことに依存している女性を
１人の男が飼いならしている・・・
そんなストーリーになっています。

それぞれがこの男にも依存するようになり、
この男無しでは生きていけないほど・・・

それを楽しむ男なのですが、
もし、この３人が一緒に出会ったら・・・
なんてのも楽しんだりするんです。

ちょっと胸糞悪いストーリーになっているのですけど、
どういった展開が待っているのか・・・
すごく気になる作品になっています。

この３人の女性が依存を克服することが出来るのか・・・
それとも堕ちるところまで堕ちてしまうのか・・・
興味のある方はチェックしてみてください。

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津島隆太さんの作品『セックス依存症になりました。〈決定版〉』（集英社）

２０代の頃から２０年間、
出会い系、ナンパなどを繰り返し
女性には不自由していなかった作者の津島隆太さん。

ある日、浮気がバレたことにより
付き合っていた女性に
ハンマーとバリカンで２時間以上暴行を受けるんです。

この暴行のショックにより不眠症になり、
体重も激減してしまうのですが、
セックスがしたくて仕方なく
女性を呼び出すも勃たず・・・

性欲と体と感情がバラバラになり
病院へ行くと医師から「セックス依存症」と診断されます。

ここから依存症と向き合い、
治療していく・・・といった感じの
エッセイになっています。

アルコールや薬物などの依存症に関しては
テレビなどでも話題になるのですけど、
セックス依存症・・・というのがあるのは知っていたのですけど、
グループセラピーというのがあるだけでなく
露出癖や痴漢常習者などの依存症の方たちと
苦悩を共有しながら依存症を治そうとしているのは知りませんでした。

依存症は心の病なので、
１人では治すことは不可能に近いですので、
もし、セックス依存症かな・・・なんて思った人は
１度、この作品を読んでみるのもいいかもしれないです。

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三森みささんの作品『だらしない夫じゃなくて依存症でした』（時事通信社）

大学の頃から付き合っている２人・・・
その頃からお酒を飲んでいた今の夫。

飲んでだらしない姿などを見ていたのですが、
お酒に酔う人はこんな感じに
だらしないものだ・・・と思っていました。

その後、結婚して、
飲んで酔っ払うのは当たり前だと感じていたのですが、
普通だといいながらも飲む量が増えていたり、
嫌なことがあったりすると飲まなきゃ眠れなくなったり、
朝から迎え酒をしていたり・・・
飲む量がさらに増えていったのです。

お酒を止めると言い出した夫なのですが、
それも続かず・・・
もしかして・・・と思うようになり
知り合いに相談することに・・・

すると依存症なのかも・・・という結論になるのですが・・・

・・・といった感じで
アルコール依存症を中心に
ギャンブル、薬物などの依存症に通ずる人の
特徴や行動などを描いたコミックエッセイになっています。

かなり重い内容ではあるのですが、
依存症になる人にはそれぞれ特徴みたいなものがあり、
そういった行動を知っておくと
もし、身内に依存症かも・・・なんて人がいたら
役に立つかもしれないです。

依存症はその人だけが抱える病ではなく、
まわりにも迷惑がかかることが多いですので、
こういった病気がある・・・ということを
知っておくのもいいかもしれませんよ。

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永田カビさんの作品『現実逃避してたらボロボロになった話』（イースト・プレス）

『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』という
レズビアン風俗のレポ漫画で話題になった永田カビさん。

『一人交換日記』では
その後の私生活などを描いて、
自らの発達障害、摂食障害などを赤裸々に語り
こちらも話題になりました。

この作品なのですが、
さらにその後を描いたコミックエッセイになっています。

『一人交換日記』の２巻の終わりの方から
アイデアなどが浮かばず、仕事がうまいことできず、
現実逃避するようになり、
アルコールの量が増えてきたことも描かれていました。

そのあたりからこの作品は始まるのですけど、
今回も壮絶な闘病生活なども描かれており、
ここまで自分をさらけ出し・・・というか、
自分を見つめ直すために描かれた作品になっています。

今回もかなり重い内容になっているのですけど、
仕事が手につかず、アルコールに逃げると
一歩間違えたらこのような状況になるのだと・・・
語り掛けている感じにも読み取れました。

それにしても自分の私生活を
ここまでさらけ出して書籍化する永田カビさんは
かなり追い込まれているのか、
こうすることで自分を変えようとしているのか、
解らないですけど、
不摂生な生活を送っている人にとっては
考えさせられる作品になっていますので、
興味がある方はチェックしてみてください。

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