漫画があればいいのだ！

日暮キノコさんの作品『特異なあのコ 日暮キノコ短編集』（講談社）

この作品なのですが、
性転換や思春期などの作品を
独特な雰囲気で描く日暮キノコさんの短編集です。

日暮キノコさんの作品は
心に直接に訴えかけてくる話が多く、
個人的に好きでほとんどの作品を読んできています。

この作品では
思春期で自分の胸のコンプレックスを持っている
女の子の胸が何故か犬になってしまった話、
２月２９日の閏年生まれの女性が
本当に４年に１度しか年をとらず、
人よりも年をとらない人生を描いた話、
今のようなコロナ禍でマスクをつけっぱなしで
イケメンのマスクを取った姿が気になる話・・・
など、かなり個性豊かな
主人公を描いた短編集になっていました。

個人的には↑でも書いたのですが、
閏年生まれで４年に１つしか年をとらない女性を描いた
『０２２９』がかなり興味を引く作品でした。

多分、この作品を読んだら、
他の日暮キノコさんの作品を
読みたくなる・・・と思いますよ。

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日暮キノコさんの作品『喰う寝るふたり 住むふたり 続』（コアミックス）

タイトルからもわかるように
人気作品だった『喰う寝るふたり 住むふたり』の
続編にになっています。

付き合って１８年、長年の同棲生活をしていた
町田りつ子と野々山修一の２人が結婚し、
５年が経ったところから始まっています。

結婚して５年、まだ子供はいなく、
知り合いの子供たちや友達が妊娠したりしたのをきっかけに
「妊活」について考えたり、
親との関係なども考えだしたり・・・と
前作とは違って夫婦としてのリアルな問題に
どのように向き合っていくかが描かれています。

前作なのですが、同じストーリーなのに、
りつ子と修一との両方の視点で描かれた
ザッピングのようなストーリーが面白くハマったのですが、
今回は２人が協力して
夫婦間の問題を解決していく感じで
また違った楽しみ方が出来て
今回もハマってしまいました。

前作とは違った感じの作風ですが、
２人の性格などはそのまま・・・って感じで
前作を読んでいればさらに楽しめると思いますので
興味ある方は前作を読んでから
こちらを読むことをオススメします。

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日暮キノコさんの作品『個人差あります』（講談社）

サラリーマンの磯森晶は
小説家の苑子と結婚して５年・・・
ちょっと冷めた夫婦生活を送っていました。

ある日、自宅でテレビを見ているときに
急に頭が痛くなり、救急車で病院に運ばれました。

冷めた夫婦生活をしていたのですが、
苑子は晶のことを大変心配し、
病院までついていったのですが、
脳出血で医者にもダメだといわれてしまい
涙してしまうんです・・・

すると奇跡が起こり、
もうダメだと言われたはずの晶が
意識を取り戻しただけでなく、
歩いて苑子の前に現れたのですが、
その姿は女になっていたのです・・・

この作品の冒頭で“異性化”した人物の話が少しあるのですが、
晶も男から女へと変わってしまったのです。

完全に冷め切った夫婦生活だったのですが、
女同志の共同生活・・・という形で
新たな暮らしが始まるんです。

・・・といった感じで
男から女に変わってしまったサラリーマンと
小説家の女との夫婦生活？共同生活を描いた
新感覚の作品になっています。

日暮キノコさんの作品って
妙な視点で描く２人の関係の話が多く、
今回もかなり訳ありの夫婦が描かれています。

晶が女になったことで、
女として何も知らない晶を苑子がフォローすることにより、
今まで冷めてしまった夫婦生活に修復？の兆しが見えるのですけど、
女になってしまった晶に新たな関係ができ始めたり・・・と、
複雑な人間関係になりそうな雰囲気な作品になっていますので、
気になった方はチェックしてみてください。

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日暮キノコさんの作品『モンクロチョウ』より

岡部正也（主人公）なのですが、
「モテ高」とよばれる私立唐草学園に進学するも、
同じマンションに住んでいる幼馴染の白石桃子が
ぽっちゃりで爆乳と発育が良かったことに
ちょっと女性にトラウマを抱えており、
女性を苦手意識していました。

クラスでもモテ男と称される新堂などと一緒に
合コンなどをするのですが、
いつまでたっても慣れることができませんでした。

そんな時、幼馴染の白石桃子が
新堂のパイズリ要員だということを知り、
悲しんでいる桃子を抱き、童貞を卒業するのですが、
ここから正也は何か吹っ切れたかのように、
人生が変わり出します。

そして、桃子もぽっちゃりしている自分を変えるために
ダイエットをし、読者モデルになるほどヤセて
積極的な性格へ変わっていきました。

ここから２人の幼馴染だった関係や距離が微妙になり、
ギクシャクしはじめました。

でも、ラスト付近で、二人の気持ちが重なりあって、
ハッピーエンドになるのかと思いきや、
二人は引き離されることになり、
そのまま時は経ち、５年後に・・・

正也はマンションをすでに引っ越ししており、
桃子は芸能界に入り、忙しくなり、ひとり暮らしをはじめるのですが、
でも、一発屋みたいな形ですぐに売れなくなってしまいました。

数年ぶりに正也は昔住んでいたマンションへとやってくると、
そこで桃子の姿をみつけます。

桃子は芸能界を辞めて、もとのぽっちゃりした姿に戻っており、
正也は何か安心したかのように少し話して
二人は別れるのですが・・・



あれから２人はいろいろとあったのでしょうけど、
正也と話しているときに
桃子が結婚指輪を取って話していたというシーンをみて、
優しさに包まれたかのようなラストで、
僕が描いていたのとは違うのですが、
いい感じの終わり方をしていました。

この作品に関してはちょっと胸くそ悪い部分なども多かっただけあって、
ラスト付近にどんでん返しというより、
ハッピーエンドにはならなかったものの、
別の意味の幸せを与えてくれた作品という感じで
個人的にすごく好きなんですよね。

全３巻とサクッと読める作品ですので、
気になった方は読んでみてください。

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日暮キノコさんの作品『モンクロチョウ』（講談社）

新興都市にある団地に住む岡部正也は
県内で「チャラ高」と呼ばれている
私立唐草学園に通う高校２年で見た目は悪くないのですが、
女性が苦手でそれが劣等感になっています。

ある日、正也は幼馴染でぽちゃっと太っている白石桃子を相手に
童貞を喪失し、ここから少しずつ優越感を手に入れて変わっていきます。

また、桃子も彼氏だと思っていた新堂要に
「パイズリ要員２」と呼ばれたことにより、
ぽっちゃりした体型から努力をしヤセて綺麗に変身しました。

この２人は少しずつ変わっていくことにより、
２人だけでなく、２人を取り巻く環境でも
欲や妬みなどがでてきて
それぞれの葛藤なども描かれており、
なんかモヤモヤするものを残しながらも、
個人的にはかなり好きな作品でした。

特に最終話が好きなんですよね。
なんか正也と桃子の距離が近くなった感じがしたのですが、
最後は桃子の優しさで救われた感じです。

この終わり方でなかったら、
モヤモヤが頂点に達してこの作品を嫌いになってたかも・・・

個人的に好きな終わり方だったので、
ネタバレしないようぼかした感じに書きましたが、
気になる方は読んでみてください。

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