漫画があればいいのだ！

稲妻桂さんの作品『流されて金字塔』（講談社）

連載を開始してすぐに人気がでた『台風の瞳』を描く
漫画家コンビ「南京」は
ネーム原作担当が夫の高砂京介、作画担当は妻の高砂南と
夫婦で１つの作品を描いていました。

来年に映画化も決まり大人気漫画家として
テレビなどでも取り上げられるようになったのです。

ある日、編集担当から担当が代わる・・・と、
新しい担当を紹介されたのですが、
ここから京介の歯車が狂い始めるんです・・・

新しく担当になったのは、
以前、付き合っていた小説家の赤坂紡の妹の栞で、
『台風の瞳』が盗作だといいだしたのです。

そう『台風の瞳』なのですが、赤坂紡が書いたもので、
京介に意見を聞くために渡したのですが、
その後、紡が事故で死んでしまったのです。

漫画家として成功したかった京介は
自分の作品ではボツばかり出されてしまっており、
紡から預かっていた『台風の瞳』の話を漫画にすると、
それが編集者に認めてもらえ、連載することになったのです。

これを知っているのは京介だけだと思っていたのですが、
紡の文章をデータとして持っていた栞が現れたことで、
築き上げた漫画家人生が揺らぐことになるんです。

・・・といった感じで
盗作した作品の漫画を描き続ける漫画家と
盗作だと知って担当になった編集者との
歪んだ愛？を描いた作品になっています。

ある日、担当として仕事場に現れた栞に
紡の書いた原作を入れている引き出しの鍵を奪われ、
原作を描けなくなってしまった京介・・・

鍵を返してもらうために
様々なことをさせられることになるのですが、
妻を裏切るような行為まで・・・

インモラルな作風で描かれるサスペンスとして
どのように描かれていくのか気になると思いますので
興味ある方はチェックしてみてください。

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稲妻桂さんの作品『金の糸』（講談社）

「人生、嘘をつけばなんとかなる」
面白くなくても笑う、悲しくなくても悲しむ・・・
そんなふうに嘘をついていれば
周囲からはみ出すこともなく、
嫌われることもなく、
そこそこうまくいく・・・
そんな人生を送っていた高校生の尾崎草一は
同じクラスで人気者の藤野真夏のことが気になっており、
一緒の教室にいられるだけで幸せだと思っていました。

そんなある日、クラスに美少女の留学生
サラ・ガルシアが現れたことにより
草一の暮らしが一変してしまうんです。

サラは草一の家にホームステイすることになり、
ひとつ屋根の下で暮らすことになるのですが、
サラと仲良くなりたい真夏から連絡を受けるんです。

そこから真夏と話すきっかけなどができるのですけど、
ちょっとした出来事から
サラに大好きだ・・・と言ってしまうんです。

好きと言ってしまったことを後悔しつつ
真夏のことを思いながら
サラには嘘をつきながら好きだと言い続ける
背徳感ある青春ラブストーリーになっています。

この作品を読んで思ったのが、
『悪の華』『血の轍』を描かれている
押見修造さんに作風が似ており、
こういった世界観が好きな人ならきっとハマると思いますので
興味ある方はチェックしてみてください。

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