異常者の愛 【著者：千田大輔】

千田大輔さんの作品『異常者の愛』（講談社）

小学５年生のとき、
一之瀬一弥の幼馴染の二海二美香が殺されてしまいます・・・

殺した相手・・・というのが三堂三姫という同級生で
一弥のことを好きになりだすのですが、
一弥の中には二美香の存在が大きく、
三姫に告白されるのですが、断るんです・・・

でも、その断り方が中途半端で、
二美香よりも先に出会っていれば好きになってたかも・・・
という返事をしたことにより、
三姫は教室にいた二美香をカッターナイフで刺して殺してしまいます。

この事件があった一弥はそれがトラウマになり、
人を愛する・・・ということができなくなったまま
６年が経ち、一弥は高校生になりました・・・

そんな一弥に再び思いを寄せる同級生の四谷四乃が現れ、
猛アタックされ、１度だけ・・・ということでデートをします。
少し早く来た一弥は遠くを眺めていると
交差点で三堂三姫らしき人物を見かけることに・・・
一瞬だけだったので見間違いだと思ったのですけど、
三姫を見たことによりあのときのことがフラッシュバックします。

その後、四乃とデートをするのですが
ここから二人の距離は少しずつ縮まってきて、
あの時の忘れられない記憶が少しずつ薄らいでいくのですけど、
再び悪夢のような出来事が起きてしまいます・・・

デートの当日に四乃が三姫に連れ去られ、
三姫が一弥を二美香を殺した教室に呼び出します・・・

・・・と、いった感じで
歪んだ愛の形が描かれています。

この作品なのですが、
正常な精神の持ち主は読まないほうがいいかも・・・
ってぐらい三姫の歪んだ愛が狂気として現れ
一弥の昔の記憶と今の幸せが切り裂かれていきます。

でも、こういった話が好きな人には
完全にのめり込んでいくようなストーリーにもなっていますので、
興味がある方は、ある程度の覚悟の上、読んでみてください。

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